ラッコ、苦境を逃れる
2005-10-06


という表題の本日付 San Jose Mercury News 1A面。原題は

OTTERS LET OFF THE HOOK

カリフォルニアでは、サンフランシスコの南からロサンゼルスにかけての海岸線には、稀少種に指定されているラッコが棲息している。モンタレーの海岸線を走る17マイルロードに行くと、うまくすれば野性のラッコが海の上をぷかぷか浮かんでいる姿などが見れるそうだ(我が家はまだ遭遇していないが)。

このラッコ、とにかく食いしん坊で、一日に体重の約4分の1相当の食べ物をとるそうだ。主な食料は、ウニ、アワビ、カニなど、なかなか贅沢である。

1977年に捕獲禁止令が発行されラッコの数が増えてくると、今度はロサンゼルス沿岸の漁業組合が漁が成り立たなくなってきているといい始めた。それが1980代の始めころのことだそうだ。

カリフォルニアの北側、とくにモンタレーのあたりは、いつごろからか覚えていないが自然保護地区として漁業は禁止されている。

そこで1987年から、ロサンゼルス近郊のラッコたちを北側に”引越し”させることにした、というのだ。つまり泳いでいるラッコを捕まえて、北に連れて行って放す。言ってみれば拉致したわけだ。

ところが、拉致ラッコは、あるものは泳いで元住んでいたところに戻り、あるものはすぐに死んでしまったりしたことがその後の調査でわかった。つまりこの引越し作戦はうまくいかなかったのだ。

結局、連邦政府は水曜日に、引越し大作戦の中止を宣言し、ラッコはどこでも好きなところを自由に泳いでよい、ということにしたそうだ。

さぞや今頃、ラッコたちは喜んでお腹をポコポコ鳴らしているのであろう。また17マイルロードに行って、ラッコを探してみようかな。

[社会]

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